09年版・月組エリザベート見られました、が
2009年 08月 02日
と、いいつつ、感想はつい辛口になってしまう私。読んで気を悪くされた方がいたらすみません。何しろ私、前回の月組が好きすぎでした。キャストも本当にぴったりな人が多かったと思うし。トートにしてもルドルフにしても、歌は今日の2人の方が安定していて上手なのに、彩輝・大空コンビの方がずっとドキドキしました。アンサンブルの厚みも、当時の方があったような気がします。ファンの身びいきかも、ですが。
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キャスト別感想は長くなっちゃったので More に。
トート= 瀬奈じゅん: かっこいいと思うし歌も悪くないし、最初に見ていたらはまっていたろうけど… どうも人外オーラが見えない。「健康そうな」 と書かれていたのが納得。歴代トートで一番普通の金髪みたいな髪だし? 最後のデュエットダンスでリフトを4~5回クルクルしていたのはえらい。
やっぱり3役のうちエリザベートとしてが一番好きだなあ。
エリザベート= 凪七 瑠海: かわいい! お人形さんみたい。男役さんとは思えないほど華奢。今日は調子が悪いのか、歌が… 高音が不安定だった。伸ばしきらなかったり、3分の1音ほど上がりきらなかったり。2幕の方が良かったが、老け声にしようとすると男役っぽくなる。
瀬奈エリザの方が安定していてうまかった。月組なら前の娘役トップさんで見/聞きたかった。
フランツ・ヨーゼフ= 霧矢大夢: さすが上手い。演技の包容力もたっぷり。執務室のシーンでソロが合唱を圧して聞こえたのはびっくり。声量あるのか、アンサンブルが薄いのか。お疲れモード?低すぎ? 何ヶ所か歌がかすれていたのは残念。前回の初風さんの方が軽々と出していた。
前回のルキーニがすごく似合っていたし、もう1回そっちで見たかったな。宝塚では3番手用だけど、本来は2番手がやるのが正しい姿だと思う。
ルキーニ= 龍 真咲: がんばって悪たれ & 狂気っぽくしています、という感じ。重要な役の割に、存在感が今ひとつ薄かった。多分、若すぎ? 歌は悪くない。きれいだし、ルドルフの方が似合いそうだなと思ったら、前回の新人公演はそれで大人気だったとか。見たかったなぁ。その4年後に本役ルキーニとは大出世。
ルドルフ= 明日海りお: 美少年! 金褐色の髪が似合う~ 若すぎるけど (16歳くらいに見えた) 歌も悪くない。大空さんと朝海さん (DVD鑑賞) を両方少しずつ思い出した。張りつめ感はもっと欲しいけど、今まで見た中で好きなルドルフの5本の指に入るかも。(やっぱりルドルフ面くいな私…笑) 新人公演ではトートなのか。こちらもきっと綺麗だったろう。迫力は出せたのかな? あ、ということはこの人まだ相当若手? 大抜擢だ。
ゾフィー= 城咲あい: 綺麗なのは別にいいけど (ゾフィーも若い頃は美貌で有名だった) 貫禄不足すぎ。最初の ♪強く~ からアチャー。低い声が全然出ていない。演技や老けメイクは悪くないけど。専科の人を連れて来た方がよかったのでは。前回のリヒテンシュタインの方が良かった。本来は高い声なんだろうから、せめてエトワールを歌わせてあげればよかったのに。階段降りでさえ歌わないのはびっくりした。上位の娘役なのに?
ゾフィーについてもエトワールについても美々さんが恋しかった。
エルマー= 遼河はるひ: 熱さはあまり感じない。この人は悪役で見たいが、日本版エリザには当てはまる役がない。シュトゥットガルトやハンガリー版だと、エルマーはもっとルドルフを脅す怖いおじさんだけど(^_^;A
歌をがんばれば、フランツ・ヨーゼフの方がルドルフよりは似合うかも。妻を愛しているけどすれ違ってしまった夫役が悪くない作品あったし。
その他: パパ・マックスは若いけど悪くない、と思ったら、前回ツェップスの越乃さんか。相変わらずお上手。後半出番がないのが残念。宝塚版だと、「パパみたいに リプライズ」 がないからなぁ。
シュヴァルツェンベルクが格好いい! と思ったら、星条さんというハーフの人。ヨーロッパの美中年そのものに見えた。
マダム・ヴォルフはなかなか派手で迫力。リヒテンシュタインはやや下品で好きになれなかった。花瀬さんにできなかったのかな。ヘレネの演技が変わり、粗忽さが強調されすぎ。マデレーネは前回の方が ♪怪し美しさ~
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そんなわけで前回月組版が恋しかったけど、今回も見られたのは良かったです。見なきゃ比べもできませんし。いろいろ書いてしまいましたが、来日ウィーン版の直後に見て点辛くなった、前回雪組よりは楽しみました。