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日本版LNDも気に入りました


by yukituri

翻訳は面白い、けど難しい

かなり前から、歌詞とかの翻訳は私の趣味のようなもの。アマチュアなりに、できるだけ自然な響きになるよう、心がけてはいます。しかし翻訳って難しいですよね。意味は訳せても、韻や響きの対比とかまではなかなか~

例えば、今度の字幕もどき作りで残念だったのは、2幕前半の夫婦喧嘩での Rudolf や、後半の Stephanie と Mary の対決場面のせりふ。

Rudolf: Wir werden zusammen sein, (僕たちは一緒にいる)
  egal was du zu sagen hast. (君が何を言おうと構わない ?)
ツザメン と ツーザーゲン の響きが、実際はかなり似ていて、Rudolf の女性2人への心情の対比を、逆説的に印象付けているようで面白い気が。

Mary: Ich liebe ihn. (私は彼を愛しているんです)
Stephanie: Ich "lebe" mit ihm. (私は彼と 「生きて」 いるのよ)

リーベ と レーベ。アルファベットでもわずか1、2字の違いですが。
片や愛が全てかつ免罪符の Mary。片や、自分こそが彼の人生の伴侶だという強い思いがある Stephanie。この対比が面白いのに。
両方とも、残念ながら日本語だと音の類似は出せません…

ちなみに、lebe-n は英語の live。生きる、暮らす、人生、命 (名詞形) その他、日本語よりずっと範囲が広いのも難しいところですね。

あと、Taaffe が Mary との対決での一人チェスで言うせりふ。
"Schach!" と   "Und wie man es auch dreht und wendet,
           der Kronprinz ist... Schachmatt!"

Schach = 「王手」、Schachmatt = 「王手詰み」 という訳語はあるし、あそこは英語圏ではないので、できたらカタカナ英語は避けたいというのが私のこだわりなのですが、王手詰みという言葉に自分のなじみが薄かったことと、あのターフェの歯切れのよさを出すには、うーん、と思い、つい
「皇太子は… チェックメイトだ!」 としてしまいました(^_^;A 
まさかチェスを 「将棋」 とするわけにもいかないし、線引きが難しいです。

時間はかかりますが、こうやって悩むのも楽しいかも♪
by yukituri | 2010-02-03 08:39 | その他観劇関係の話題