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日本版LNDも気に入りました


by yukituri

Rebecca @ Stuttgart 総括&キャスト感想

ウィーンの千秋楽に行って以来、きちんとドイツ語で見るのは4年ぶり (もう!?) の "Rebecca"。Pia さんがいたからこそやった弾丸で、彼女がいなければ、せっかくのウィーン版の印象を上書きする必要はなかったと言える。あちらのキャストが良すぎたから。Susanさんを始め、Uweさん、Wietskeちゃん、抱腹絶倒の Carinさん、悪い色気たっぷりの Carsten、誠実さ似合い過ぎの Andre... 行きさえすればこういうメンバーでみられたのは贅沢だったんだなぁ。

三回半は正直、飽きた。でも、Pia さんをどうしても複数回見たかったから、結果的には正解。選択肢の多いロンドンを複数回にできればよかったが、あちらは日曜ほぼ休み。シュトゥット日曜日だけにするしかないが、そうしていたら Piaさんは一回だった。

もし初めてドイツ語版を見るんだったら素直に感動できただろう。セットは美しいし、演出はスペクタクル。キャストの歌や演技も、フランク (とファベルの踊り) を除いて日本版よりうまいと思う。


07. 01. 2012 19:30 (14:30 も多分同じ)
ICH: Lucy Scherer, Maxim de Winter: Arvid Larsen,
Mrs. Danvers: Pia Douwes, Beatrice: Kerstin Ibald,
Mrs. van Hoppper: Isabel Dörfler,
Jack Favell: Hannes Staffler,
Frank Crawley: Jörg Neubauer, Ben: Daniele Nonnis

08. 01. 2012 14:00 Uhr
Ich: ValerieLink, Mrs. Danvers: Femke Soetenga,
Beatrice: Claudia Stangl, Favell: Raphael Doerr

08. 01. 2012 19:00 Uhr
Ich: Lucy Scherer, Mrs. Danvers: Pia Douwes,
Beatrice: Helena Staffler



Pia Douwes (Mrs. Danvers): シシィの時と20歳は違う気がする。ここまで老け演技してくれるとは。確かにそろそろ Sophie年齢だけど。
Susanさんの前半完璧無表情に比べると、ほのかに呆れていたりほくそえんでいたり、けっこう表情が豊かだった。話し方も、ロッテンマイヤー夫人 (ハイジ) のようだった Susanさんよりはやや早い。造形は Susanさんの方が好き。
歌い方は意外と Susanさんに似ていて、登場時のフレーズの最後 "niemals!" (決して!) とかの張りは初演CDを思い出させた。それだけ、Susan さんの歌も良かった。
でも Piaさんは、何と言っても高音の伸びが素晴らしい! 他の人が苦しそうになる最高音が一段と膨らむ凄さ、特に1幕最後。Elisabeth の "Nur mir!" で、余裕たっぷりに微笑みながら、人より更に高く歌っていた姿を思い出した。

Mrs. Danvers の Alternierend の Femke Soetenga ももちろんかなり上手い。ドレスデンで見たジキルとハイドのルーシー役者だっただけはある。最高音は普通に声が薄くなるところが Piaさんとの差かな。容姿はやや可愛い目。
私が見た1/8(日)昼が最初の登場だとしたら Thomas がサービスで来てくれないかとほのかに期待したけど、なかった。

Lucy Scherer (ich): 最初からけっこう怜悧に自信ありげに見える気がした。グリンダの印象があるからかな。美人系で、ich にほしいイモっぽいかわいさはあまりないような。仮装舞踏会のロココ調のドレスが似合う。
歌、ソロや Maxim とのデュエットはそう特別ではなかったが、後半の "Rebecca Rep." や "Mrs. de Winter bin ich!" は Piaさんとのガチンコ勝負だからか、かなり対決できていて聞き応えがあった。声質が違うのもいい。

もう一人の ichの Varelie Link は少し東洋の血が混じってるかもと思う顔立ち。歌のうまさは Lucyと違わないと思う。前半見てなかったので、豹変ぶりが完全には確かめられなくて残念だが、後半のほのかな強さはきちんと出ていた。

両方、初演の Wietskeちゃんほど ich と思えなかったということもあり、どちらがずっと好きということはなかった。

Arvid Larsen (Maxim): 3.5回も見てしまい、はるばるウィーン行ったのに Uweさんが病気だった悪夢の週の Tim Reichwein を思い出した。ただ、Altenierend だけあって、2. だった Tim よりは歌えていると思う。ソロ最後の歌い上げは力強い。
社交界注目人物の Maximなのに大物感が乏しい。舞踏会では客に紛れる。激昂しても怖くない。ヘンな言い方だが、Lukas の身長を10cm縮めて、年を10歳足して、やや薄くしたような感覚だった。
少し甲高い時もある声質は、来日エリザのトート 2.や Wien Rudolf のターフェの 2.で好きだった Martin Pasching さんを思い出した。
ノルウェー人、ドイツ語の発音は私の耳にはほとんど気にならず (ネイティブ耳にどうかはともかく) 時々、子音が違うところで濁ったり重いかもと思った程度。日本語のかなりうまい韓国人みたいな感じかも?

Kerstin Ibald (Beatrice): ウィーンから唯一続投の姉さん、役柄へのはまり具合も、歌の安定感もさすが! それなのに、あの美しい "Staerke einer Frau (女の力)" のデュエットが短縮版になっていたのが無念。日曜出ていなかったのが残念。仮装舞踏会ではハーレム衣装で腹出しで踊ってたが、お色気というよりスポーティーで、一番似合うのは乗馬服。


以下、「歌はそれなりに上手い」 はみんな共通なので省略。

Daniele Nonnis (Ben): 特徴のある顔立ち、昨夏、Die Paepstin (女教皇) で見た人じゃないかな? と思ったら、やっぱりそう。当時、ヒロインの数少ない味方の恩師の学者だった印象が強いからか、あまり頼りなくは見えなくて困った(^_^;A Favell に証言を強要されようとした時、一瞬 Maxim を指差して、でも "Nix gesehen" (なにもみてない) と言う辺りは、感情の動きが分かりやすかった。今回の新演出かも?

Isabel Dörfler (Mrs. van Hopper): 演出の問題か間の問題か、そんなに笑えなかった。そこそこ受けてはいた。

Jörg Neubauer (Frank Crawley): 小柄でちょび髭。一応いい人っぽいが、誠実さの放射はしていない。小粒。

Hannes Staffler (Jack Favell): 押し出しはいいが、悪い色気は感じない。ソロ歌の踊りがほとんどなかったのは演出変更だとしても、もう少し動きのキレがほしい。


Thomas、一回くらい聞いてみたかったなあ… 宿の奥さんは 「演技はそんなによくない」 と言っていたが、歌は流石にいいだろう。
宿の人も劇場の人も、「最後が近づくまであまり来ないんじゃ。Gallen でもやってるし」 と言っていたけど、St. Gallen がない週末ちょっとは出てよ! 公式ホームページの Termin にも Maximの日程は出ておらず、よっぽど少ないのかも (涙) 掛け持ちの彼じゃなくて、Uwe さんに頼んでみれなかったのかなぁ!? 

宿の奥さんは、「ベルリンの Vampire が 5月に終わったら Jan Anmann が来るんじゃないか」 とも話していた。シュトゥットのおなじみスター。イケメン Maxim になりそうだが、十分濃いかは知らない。なにせ自分の基本イメージは Uweさんだ(笑)
by yukituri | 2012-01-11 12:14 | Rebecca / レベッカ