訳題もウィーン版だったのか~ < 再演ルドルフ
2012年 07月 22日
…すごい。
ドイツ語からわざわざ訳し直したとおぼしい題がたくさんありますよ。
演出がウィーン版準拠なのは知ってましたが、題もだったのか~
かえって英語のオリジナルから遠くなったという題もいろいろ。
The Steps of Tommorrow → (初演訳題) 「明日への階段」
ウィーンDer Weg in die Zukunft =未来への道→「明日への道」
が例ですけど。
『M15-道はひとつ』 Finish What You Have Started →『行動すべき時』
『M16-選ぶ時』How Will I Know →『僕の道はどこへ』
『M20-愛してるそれだけ』Only Love →『二人を信じて』
『M21-命令次第』Master of the Strings →『手の中の糸』
『M33-ただ君のために』I Was Born to Love You →『世界を手にして』
なんかもそんな感じですね。
15 のウィーン版は直訳すれば「取り引きすべき時」かな?
16 は「僕の道はどこへ続くのか」
20 は「私たちを信じて」
21 はそのものずばり
33 は「あなたは僕の世界」だから ”世界” が共通してます。
「手の中の糸」 は 「すべてを把握している」 という慣用句と聞いたような。とすると、初演の 「命令次第」 の方がかえっていい意訳だと思うのですが。
日本語で 手の中の糸 だと、歌舞伎の蜘蛛の糸を思い出したりして。
もちろん、一幕最後の "Only Love" はじめ、演出や設定・台詞の変更に合わせて歌詞を変える必要のあるところもあったでしょうが、印象的でなじみのある初演の詩をもっと残してもよかったんじゃないかと。
「明日への階段」 とか、なにげに初演の日本語の題が一番英語に近かったんですけど(笑) ハンガリー版は 「橋」 だったし。「愛してる それだけ」 とかも上手かったな。
や、ウィーン版の歌詞も大好きですし、それに近付ける努力も偉いと思いますが。今回、歌詞の情報量は増えたけど、印象はかえって薄まった気がします。耳に残るリフレインも少ないし。内容が近いことと、日本語ミュージカルの歌詞としてどうかはまた別なんですね。興味深いです。
極論すれば、初演は英語を元にした作詞、再演はウィーン版の訳詞 (やや直訳風味) と言えるかもしれません。