日本版LNDも気に入りました


by yukituri

「ファントム」 上下 (扶桑社ミステリ) 感想

 オペラ座の怪人(ファントム) ことエリックに光を当てたスーザン・ケイの小説。ただし、ミュージカル「ファントム」ではなく、あくまで 「オペラ座の怪人」の空白を埋めるお話だ。
 彼がどうやってあれほどいろいろな天才的技量を身に付け、なぜオペラ座の地下に住み着くことになり、どうやってあの優雅な生活を維持しているのか (密かに突っ込んでいた) などが詳しく語られている。

 読むと、エリックがかわいそうでかわいそうで…(/_;) 母の愛を知らないうちに別れたり、息子のように可愛がってくれた建築家(石工の親方?)のところも不幸ないきさつで飛び出したり。
 ミュージカルの中で彼は、「誰も私に同情してくれなかった」と吐き捨てるけど、こんなにいろんな人に思われていたんじゃないか。

 さすが主役、クリスティーネとの愛の意味も深まっている。こちらではむしろラウルが邪魔者だな(^_^;) ラストはちょっと驚き。

 ルルーの原作小説では、おおむねただの悪のスーパー怪人(?)だったファントムの背景が、かなり自然に納得できる (飛躍もないでもないけど) 彼の人間像もきちんと描かれていて、読み応えがあった。
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by yukituri | 2005-11-04 21:29 | 普通の日記、PC・語学関係