人気ブログランキング | 話題のタグを見る

日本版LNDも気に入りました


by yukituri

星組 王家に捧ぐ歌 オペラ 「アイーダ」 より

現在の私ひいきNo1、安蘭さんがヒロインということで、「王家に捧ぐ歌」 をDVD鑑賞。「雨に唄えば」 のヒーローと同じ年というのがすごい。
評判が高い作品だが、去年の(ワタシ的)問題作、「炎に口づけを」 の木村センセだけあって(^_^;A やっぱりメッセージ満載。オペラ 「アイーダ」 が下敷きだが、けっこう中身も変えられてるような。曲は全部オリジナル。

アイーダの安蘭さん、女役は初めて見た。女声もなかなかだけど、ヒロインにはややりりしすぎの男顔かも(^_^;) 湖月さんとの身長差はちょうどよかったりする。歌は高音まできれいに響かせていた。アイーダとしての叫び声はあまりきれいではない。もっとしっとり話す役にしてほしかった。

エジプト王女アムネリスの壇れいさんは貫禄の美しさ。クレオパトラのような金ぴか衣装がすごく似合う。歌も、一部で言われているほどひどいとは思わなかった。王女としての誇り高さと、一人の女としてのせつなさの両方をうまく出していた。ラダメスの湖月さんも包容力ありそうだった。

メッセージ、今度はずばり 「戦いは新たな戦いを生むだけ」 言いたいことは分かるけど、古代に絶対平和主義ってまず成り立たないと思う。オペラの元々の筋ともかけ離れてる。
「スサノオ」(未見) でもそうだったそうだけど、あまりあからさまに古代に舞台を借りて現代の問題を考えようとされると、白けてしまう。「炎に口づけを」(これは中世だが) でもそうだったな。ワタシ的には、宝塚で倫理や道徳の授業を受けたいわけじゃない。しかもせりふが直裁的すぎるし。「♪エジプトは強い~」 って何だかなあ。

アイーダ、「囚人」 というのはちょっと謎。元々の捕虜=奴隷の方が分かりやすいのでは。あと、オペラではただの奴隷なところに、やっぱりただの捕虜として父王が捕らえられてくる (ちょっと苦しいが) あたりがドラマだと思うのに、あっさり最初から王女と知られてる。

ラダメス、「勝ってエチオピアを解放する」 というのは無理ないかい。すごい暴君が圧制を敷いてるっていうならともかく、普通の王国みたいだし。「征服はするけど公平に扱う」 くらいにしておけばいいのに。

アムネリス、エチオピアを跡形なく滅ぼしてから 「戦いはしない。平和を」 って言ってもねー。一通り報復したから、その後はということかもしれないが。まあ、古代エジプトでもハトシェプト女王のように、自らファラオを名乗り、なおかつ戦争より交易に重点置いた平和な治世だった例があるから、それを念頭に置いているんだろうけど。
by yukituri | 2006-05-21 06:10 | 宝塚 (他作品、雑談)