Rebecca 作品感想 (あらすじ主体) 2幕
2007年 11月 10日
どうでもいいですがこの船、原作では確かハンブルクが母港 (マキシムは助けた船員とドイツ語話してたそうで。彼氏、オリジナルでもドイツ語できるんですね~) なんですが、舞台では 「フランスの船」。混乱を避けるためなんでしょうけど、ちょっとした見栄もあったりして(^_^;? クンツェ先生。
で、座礁船を調べるうちに、近くに沈んでいるヨット?と、中からレベッカの死体が見つかっちゃうわけです。「ああ、レベッカが帰ってきてしまった… もう勝てない、あなたは今でも彼女を愛しすぎている」、と 「私」 が嘆くと、ヨレヨレになって例のボート小屋のところに現れたマキシムは、怒涛の告白を始めます ("Kein Lächeln war je so kalt" 「あんなに冷たい微笑みは見たことがない」 2大ソロのもう1つ、聞き応えあり!)
で、いろいろあって、一応ハッピーエンドですが、マンダレイは崩壊して、最初と同じ歌 "Ich habe geträumt von Manderley" (マンダレイの夢を見た) に戻るわけですが。この先はネタバレするので隠しますね。スペクタクルなラストシーンについても、セットや演出の感想を別にしようかと。
マキシムの告白に戻って。「レベッカを愛したことなんてない、憎んでいたんだ! 邪悪な女だった」 と。「神のように崇めていた」 とみんなが信じていた彼ですが、実は仮面夫婦だったんですね~ ある晩、レベッカが常々浮気場所に使っていたボート小屋に踏み込んだマキシムは、意外にも一人でいた彼女に散々なことを言われて頭に血が上り、思わず死なせてしまい、ヨットに死体を乗せて湾に出て、今日見つかった場所で沈めた、と。
原作ではそのものずばり射殺ですが、舞台 (映画もそうだとか) では確か、「突き飛ばしたら死んでいた」。まあ、罪はより軽いんでしょうけども、現代日本で言えば、少なくとも過失致死と死体遺棄。未必の故意による殺人だって認められるかもしれない。あの時代のイギリスの法体系は知りませんが (どなたか教えて下さい) 罪があるのは事実なわけで、こんな彼がハッピーエンドを迎えていいものか、とちょっと思ったりも(^_^;A
「私」 はそんなマキシムを軽蔑するどころか、「彼はレベッカを愛してなかったんだわ!」 とかえって喜び、マキシムを守ろうと俄然強く。この変化には義姉ビアトリス (真相は知らない) も嬉しい驚き。ここで女性2人が歌う "Die Stärke Einer Liebenden Frau" (愛する女の強さ) も大好き。
「私」 はその後も、レベッカの遺品や彼女好みの内装をぜーんぶ取っ払わせたり ("Mrs. de Winter bin ich!" 「de Winter 夫人は私よ!」 すごく格好いい♪) ロンドンまでレベッカの行動を調べに出かけたり (原作と違いマキシムはお留守番) と大活躍。で、首尾よく、彼女が自殺だったことにできる (精神的には実際そうですけどね) 証拠が見つかり、事件も解決(?) 喜ぶマキシムと 「私」 のデュエット "Jenseits der Nacht" (夜の彼方に) はハイライトCDより短くされてるのが残念だけど、やっぱり名曲!
ところが、ダンヴァース夫人はそこでおとなしく引き下がらず、レベッカの思い出の詰まったマンダレイを焼き尽くしてしまいます。
彼女のナイトガウンを羽織って螺旋階段を降り、放火する姿は鬼気迫ります。
影の主役健在ですね!