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日本版LNDも気に入りました


by yukituri

179年前のその日に… < レミゼと 「6月暴動」

マイミクさんの日記で、レミゼのマイ楽だった6/5が、作中のバリケードの事件 「6月暴動」 が1832年に起きたまさにその日、だったことを知りました。1幕終盤から2幕前半に掛けて、ちょうど観劇していたころ、アンジョルラスやマリウスたちが、本当にパリの街で議論したりバリケードを組んでいたかも。そう思うと、知らずに見ていたのが残念なような、平静に見られてよかったような、不思議な気分です。

舞台を見ながら常々、ABCのみんなには悪いけど、あんな少人数で立てこもって軍隊を相手にして、なんて犬死になんだ! と思ってました。でも、原作を読み返してみたら、バリケードがあちこちに立ち、たちまちパリの3分の1が占拠されたとあり、少し納得。同時多発蜂起だったんですね。

「6月暴動」でネット検索をしてたどり着いた本、原作の挿絵を使って文中には出てこない当時の常識や社会情勢を解説した 「『レ・ミゼラブル』百六景―木版挿絵で読む名作の背景」 を読むともっと納得。中世そのままの狭い路地の街では、軍隊を分断するのにバリケードは非常に有効で、民衆が蜂起したり軍から離反者が出れば、そのまま革命になりうる。実際に、2年前の1930年の 「7月革命」 はそれで成功しているんですね! 「よいバリケード、悪いバリケード」 まで解説されていて面白かったです。

他にも、ファンティーヌがどういう階層の存在だったか (学生たちがいわば現地妻にすることが多かったグリゼットというお針子) とか、ユゴーの思想の限界 (子供のような純粋な貧民か、救いようのない怖い貧民かに分けるなど) とか、一生女好きだったユゴーのいろんな年代の自画像 (マリウスから爺さんまで) や恋人が反映されているとか、いろいろ楽しめました。

*月革命だの、*月王政だの、数字が多くてさっぱり覚えられなかった(^_^;A フランスのあの辺の歴史もちょっと親しみやすくなったかもです。
by yukituri | 2011-06-09 17:58 | その他観劇関係の話題