日本版LNDも気に入りました


by yukituri

M. A. Tecklenburg 2幕・覚え書き

2幕は1幕よりは元の (前の?) 流れが残っているかな? でも演出の違いでずいぶん印象が違います。
緑の中の上演も素敵ですし。

ネタバレします。




幕間に左側の円筒は、ギロチン台と反対側の壁が外され「牢屋」になる。上に出ているギロチンは、刃がきちんと斜めになっている。

2幕が始まると、不敬罪にでも問われたのか、マルグリットが牢屋に座っていて新曲ソロ。内容はあまり記憶にない。
証拠不十分か政治情勢の変化か、彼女はまもなく釈放。アニエスが迎えに来る。マルグリットがいらないと言っても律儀に修道院に問い合わせていたらしく、「あなたの父は、フランツ・シュテファンその人でないにしても、近しい人では」 と結果を教える。

中央の建物の2階部分でアジ演説。オルレアンやローアンが喝采を浴びた後、マルグリットも登場。「マルグリット! マルグリット!」のシュプレヒコール。

だがアニエスは厳しい顔。「釈放されたのを喜んでくれないの?」と聞くマルグリットに、「あの首飾りを買ったのがマリー・アントワネットではいことを、あなたが一番よく知っているでしょう?」と答える。

マルグリットが去った後、アニエスは浮浪者 (実は…) を労りながら 「神は見ていてくださる」 と歌う。

王室にとって情勢はどんどん悪くなっている。カリオストロはルイを「力なき王」と呼ぶ。

この辺りに錬金術の歌。左右のトンネルから半円型のテーブルが出て来てドーナツ型に合体し、弟子たちがそれを回しながら、時々、徳利、じゃなくて、おそらく陶器のフラスコを味見している。

貧しい女たちが洗濯をしている (女装した誰かさんも混じっている) ところへマルグリットが来てベルサイユへの行進を呼びかけるが、女たちは知らん顔。さっきと人気度が違いすぎるけど? オルレアンが金を払うとみんな飛びついて動き出す。

中央の建物の2階右のバルコニー、「アクセル、分かってる、あなたへのどんな手紙も危険だと」というマリーのソロ。その右上、トンネルの上の遠い場所からフェルセンが応えるように歌う。ブレーメン版CDではマリーが「たった一つの正しいこと!」と歌い上げて終わっていたが、ここでは「間違った男(を愛したこと)を!」に変わっていた。

マリーとルイと子供たちがいるところ (ベルサイユという設定だろう) に暴徒が迫る。マリーは「なぜ撃たせなかったの」と言うが、ルイは 「私の国民を撃つことなどできない」 と拒む。ルイがとどまるならとマリーも逃げることを拒否する。

誰かさんが女声で 「なに待ってんのよ! や (殺?) っちゃいなさい!」 と叫ぶが、マルグリットが群衆を止める。やっぱりあなたなの、と言うマリー。オルレアンは、国王一家が自分の「保護」下に入ったと宣言する。

中央の建物と牢屋/ギロチンの間にある小道 (レミゼではプリュメ街の家の入り口だった) からフェルセンが歩いてきて「あなたにここまで危険が及ぶとは思わなかった」と歌う。

再びドーナツ型のテーブルが出て来て、それを付けたり話したり回したりしながら「恐怖政治」の歌。ドイツ語では「テロル共和国」。なるほど、”テロ” の語原はこの時代だった。ロベスピエールなど演説者は中央に入る。

中央の建物の1階。狭い部屋でマルグリットが一家を監視している様子。フェルセンがやって来て逃亡を勧める。

カリオストロの大きなマントの下が四角くふくらんで逃亡の馬車を表現。だがそれは国境近くで暴かれて、国王一家は牢屋に捕らわれる。

マリーとマルグリットの歌での共通性が判明。「アルザスの子守歌よ、なぜ知ってるの? 宮殿の庭でお父様がよく歌ってくれたの。あなたはひょっとして…」「…あたしには父親なんていたことがない!」

「女としてお願い、恋文を届けてちょうだい」と頼むマリー。疑うマルグリット。

「もし鍛冶屋だったら」の歌。ルイがなりたかった、ごく普通の慎ましい市民たちが出て来てルイとふれあう幻想が展開。

牢屋で一家に付いている侍女が外出するが、暴徒に殺され生首になって帰ってくる。

ルイの処刑。台が回転して見えなくなり、刃が落ちて再び持ち上がると、中央部には血糊がついている。

手紙を渡せ、委員会に提出する、の言い合いからアニエスが手紙の中身を確かめるあたりはほぼ東宝版と同じ。困惑し、悲しみ、最後は厳しくなる Wietske の表情が印象に残る。

肩までの長さのザンバラ白髪に、表情も山姥のようになって牢屋に座っているマリーの元から息子が奪われる。

ドーナツテーブルを半分ずつ証言台にしてマリーの裁判。内容は東宝と似た感じ? 近親相姦の言いがかりにもっと強く抗議しないのか?は不思議。
「マダム・カペー、答えなさい!」と迫る検事がカツラを取ると、それはカリオストロ。

右のトンネルから、家畜の荷車?でマリーが引き出されてくる。白髪をくくって立ち方にも力なく、放心した表情。

ギロチン台の近くに行こうとするマルグリットを、アニエスが「だめ、少しでも共感を示したりしたらあなたまでギロチンに掛けられるかもしれないわ!」と必死で止める。もっともな危惧で、初演時に内心突っ込んだところが改善された。

それでも、つまづくマリーを助け起こすマルグリット。東宝ほど偉そうには見えない。マリーは「お父様のお守り」を首から外してマルグリットに手渡す。

見ていられず、アニエスと抱き合うマルグリット。処刑シーン自体はまた見えず、血の付いたギロチン刃が上がってくる。

ブレーメンのフィナーレ曲で、クンツェ&リーヴァイコンサートで日本にも紹介された「全ての痛みの彼方に」 フェルセンは右のトンネル脇で歌い、左の牢屋の辺りのマルグリット。歌がからむのは同じでも、マルグリットはブレーメンCDほど確信に満ちた響きではなく、自信なさそうに悲しげになっていた。「彼は悪い王だったけど、いい人間だった。殺したのは間違いだった」と歌っていたのはここだったか、処刑の辺りだったか。

群衆のコーラスが重なり、「自由!」と唱和。

終わり
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by yukituri | 2012-07-09 14:45 | 海外観劇 (他作品、総括)