帝劇 「ダンス・オブ・ヴァンパイア」
2006年 07月 09日
アルフレート=泉見洋平、サラ=釼持たまき
むらさきさんのオフ会で、帝劇の 「ダンス・オブ・ヴァンパイア」 を見てきました。参加者は十数名。7~8割方はウィーンかシュトゥットガルトかハンブルクで、元の "Tanz der Vampire" を (多くは何度も) 見ているというすごい面子なのでした。かく言う私は去年秋、ハンブルクで3分の1ほど眠くなりながら一回見ただけなのであんまり自信がないという…(汗)
物語: トランシルヴァニアのとある村。調査に来た教授と助手のアルフレートは、村人たちが宿屋で賑やかにニンニクを称えている所を見て、「近くにヴァンパイアがいる」と確信する。案の定、クロロック伯爵という怪しい貴族が宿屋の美しく風呂好きの娘、サラにちょっかいを出してくる。サラは伯爵の城に行ってしまう。助けようと乗り込んだ教授とアルフレートだが…
今日の感想。やっぱり日本語だと細かい内容が良く分かるわー(笑) 教授のせりふも何度も笑えました。それでもやっぱり、海外版と比べちゃうと45点~60点って感じ (かなり辛口?すみません)。歌唱力とかダンス力とかの他に、翻訳とか演出とかで突っ込み所も多々あったし。
まず最初、アルフレートが雪の中ではぐれた教授に呼びかけるところ。原語では 「♪ヘーホーヘー」 というとってもお間抜けな叫び声。どうするんだろうと思ってたら、「♪プロフェッサー」 でした。日本語なのにそりゃーないだろ!? 「どこですかー」 とかでもいいじゃんねえ。その次は前に書いた 「ガーリック、ガーリック」 だし。「夜を感じろ」 は、"feel the night" だし。トランシルヴァニアだというのに、何語しゃべってんだか。一方で、教授の歌 "Wahrheit" はそれなりに上手く訳してましたね(「人類のため」)。だんだん早くなるところとか、けっこうできてたし。
演出では、山口さんの伯爵が巨大なコウモリ羽根背負って出てきたり (しかもクレーンから降りると羽根だけ後に残る^^;)、螺旋階段が踊り場付きの非常階段に化けてたり、そこに安っぽい電飾が付いてたり…
歌では、山口さんの調子の良さそうな所は、ウィーンCDのスティーブ・バートンを思い出させるねっとりした歌い方で聞かせました。すごい声が広がってて。アルフレートの泉見くんも、なさけな系の役作りがばっちりで、歌も 「サラのために」 がなかなかでした。後はヘルベルトの吉野さん。クネクネ度ナンバーワンで、ロビーに飾ってある写真とかは 「どこのヅカスター?」 みたいなお耽美路線。まあ、生足じゃなくてもいいと思うけど(笑)
釼持さんのサラの歌は声が細くてやや力不足だったかな。そのせいか、2幕の見せ場のはずの "Totale Finsternis" が半分以下にカットされてました。かわいいけど、サラにはもうちょっとコケティッシュさと強さもほしい… って、ハンブルクで見たジェシカ・ケスラーさんと比べちゃいかんって。山口さんのメイク薄すぎ・体型あれなクロロックも、ついトーマス・ボーハートさんと比べちゃダメだよー < 私。ナイトメアソロもあんまり上手くなかったなあ。ダンサーはあまりヴァンパイアに見えなくて、レベルともども誰かが 「武富士の兄ちゃん姉ちゃん」 って言ってたり (うわぁ、辛)
というわけで、はまるってほどではなかったんですけど、それなりにがんばってるのは認めていいかな。もう片方のキャスト、浦井アルフレートと大塚サラも見てみたいです。