オランダ人も h に弱い? < Ich gehöre nur mir
2007年 01月 24日
1) Maya Hakvoort "Ich gehöre nur mir" (私だけに、Elisabeth)
このシリーズ初の女性登場(^_^; Mayaさんの 「私だけに」、私には所々、ゲ"ヘ"ーレ ではなく ゲ"エ"ーレ と h 抜きに聞こえるので。センセには特に問題なく聞こえたらしいけど、「そういう発音だと思ってるからかも?」 とも。「ここ、ここ」 と改めて再生してみたら 「確かにほとんど言ってないほど弱いね」。
ちなみにこれ、オランダ人にはありえる癖だそうで。フランス人が h を言えないのは有名だけど、オランダ語もフランス語に近い部分があり、ドイツ語を話す時に単語によっては h がもれるとか。へえ。オランダ版CDを聞くと、喉音の chとかがもっと強くてドイツ語っぽいのに、面白いなぁ。ただ、全体としては Mayaさんのドイツ語 「本当に上手い」 には違いなくて、歌には 「鳥肌が立った」 と言ってました。
2) Yngve Gasoy Romdal
"Wie wird man seinen Schatten los" (影を逃れて、Mozart!)
モーツァルトのウィーン初演のヴォルフガング、最近では美女と野獣の
Beast の Yngve (イマイチ読めない)さん。ヴォルフとしては、CDで聞く限り Thomasのレオポルドパパや Uweさんのコロレド大司教とおんなじくらいの年に思えちゃう(^_^; のが玉に瑕だけど、歌唱力には文句なし。で、ドイツ語はというと、「外国人? そうとは分からない」 。確かノルウェー人だと言った後も、特にそれっぽくは聞こえないそうで。
さて、歌の内容の方は。「私だけに」 は、すごく "emanzipiert" (自立した、解放された) に聞こえるとか。出た! ドイツ語での現代女性のキーワード中のキーワード。やっぱりエリザベートは 「早く生まれすぎた」 女性として描かれてるんだなぁ。
読解していって面白かったのが、最初の "Ich will nicht gehorsam, gezähmt und gezogen sein" (=私はならない、従順で、手なづけられて、しつけられた (女/皇后?) になんて) について、「gezogen は本当なら erzogen だ」 と指摘されたこと。確かに erziehen なら教育で意味は合う。じゃあ何で、と思ったら… ge で頭韻を踏んでたのか~!? 次もそういえば "bescheiden, beliebt und betrogen" (=慎み深くて、愛されて、裏切られて) と be 揃いだし。脚韻は別の歌でいくつか分かってたけど、頭韻はあまり気にしてなかったな。気付くのが遅いって(^_^;
「影を逃れて」 の方は、長くなりそうなので別項に。