ベルリンエリザ 演出・セット感想
2008年 05月 30日
ベルリン版エリザベートを一言で言うと、「全体の雰囲気はウィーン版より、衣装はエッセン/シュトゥットガルトより」 でした。現興業主の顔を立ててるのかな? エリザベートの白い決めドレスにヒョウ柄?のブチが付いてるのからしてそうですし、"Wie Du" のシシィ初登場の時も、オレンジのチェック柄。ウィーンの水色ドレスが好きだったのになあ、残念。
トートの服は、普通の開襟シャツに上着とズボンが、白黒2パターン。途中も、白で登場する時がけっこうあります。Felix Martin 氏が着るとラフなジャケットに見えるのに、Uwe さんだとちょっとひざ上コートに見えたのはやっぱり*の長さが…(言っちゃイカン!)
舞台はウィーンや梅芸に比べて狭いけど、セットはなかなか健闘。ちゃんとヤスり橋は付いてました。ただ、その分急傾斜なので、登るときもややノソノソした感じ。Máté のようなロープ技は期待できません(爆)
3方の壁は、一部を持ち上げて出入り口になる立て板で、鏡/スクリーンでいろいろ便利。プロローグのエリザベートの顔だけはちょっと笑っちゃったけど(^_^;A
左上には巨大な双頭の鷲が取り付けてあります! 1回目に一番感動したのがこれ。ただし、鏡像効果を利用したものらしいので、左からはフツーの片欠けの鷲にしか見えません(笑) 右寄りに座る方が好き。照明の色をいろいろ映して、最後には…(お楽しみに)
エリザベートの部屋の扉とか、チェス盤とか、馬車とかいろいろ省略になってて、喫茶店もあの笑える動物ゴーカートじゃなくて回る台座だけでしたけど、その代わりに新しい大道具が増えてました。
勝手に名づければ 「トートのお舟」 (笑) 黒いカラスの羽? をくるっと丸くしてゴンドラにしたようなもの。トートが中に寝そべれば 「おいで、慰めてあげるよ~」 と誘惑する場所 (エリザベートも、フラっと乗り込みかける) に、ふかふか白いクッションでちびルドのベッドに、折りたたみ式のマッサージ台のようなもの (パイプ式、ちょっと安こい…笑) を置けば、"Shatten" でルドルフがトートのひざに取りすがる場所に、と大活躍してました。
床は、二重の同心円で回転はするけど、上下や斜めにはまったく動かず。だから、"Ich gehöre nur mir" でV字に持ち上がる部分もなくて、エリザベートまでヤスリに上って歌ってました! 沈む船のシーンでフランツ・ヨーゼフがトートと対決?するのもヤスリの根元だし。これまでルケーニとトート専用だと思ってたのでびっくり~
あと、"Nichts ist schwer" の 観覧車の下半分を赤い布で隠して門のようにして、"E'jen" でエリザベートとフランツヨーゼフが歓呼を受けながら通る、その上でトートが睥睨している、というのが好きでした。Uweさんの美貌が冷たく映えて。トートの霊柩馬車もないので、これを半分おろして "Wenn ich tanzen will" の舞台というのも悪くない。
全体的に、ウィーンや梅芸に比べれば簡素なんでしょうけど、うまく工夫して見ごたえがある演出にしてるなーと思いました。