白羽ゆりさん: 組替え→雪組の主演娘役へ (水さんと 「エリザベート」)
うーん。個人的には遠野さんのエリザベートが先に見たかったんですけどぉ。もちろん安蘭さんとはお似合い♡ だと思うので、こうなったらお2人の在位中に、星組でも絶対絶対 「エリザベート」 を!
あ、もちろん白羽さんも、マリー・アントワネットの歌いっぶりを見るに素晴らしいエリザベートになられると思いますし、それはそれで楽しみ~!ですけど、わざわざ組替えまで?とびっくりしたので。いい役がたくさん出来るよう優遇されてるのかも…? なんて余計なこと考えてしまいそう(^_^;
いずれにしても、遠野さん、トップ決定おめでとうございます!! 去年の 「マラケシュ」 で見て感心し、花組エリザベートの新人公演映像で好きになり、演技も歌も、「何でこれまでトップになってなかったんだろう」 と思ってましたから、とっても嬉しいです。安蘭さんともども 「エリザベート」 をなさる日を切望してます。こうなったら歌劇団にお手紙でも書こうかな!?


入浴だけだと500フォリント (約300円) と安い。水着着用の混浴。ちょっと困惑したのは、ロッカーも男女分かれていないこと。鍵の掛かる脱衣室がいくつか横にあるので、そこで着替えればいいんだけど、でっぷり腹の出たおじさんが隣のロッカーだったりすると…(^_^;
シャワーを浴びてからお風呂へ。シャワーもまた男女共用で、きちんと体を洗えるようなものではない。浴槽は、36度のジャグジー、34度のやや大きめの浴槽 (ブダペストの温泉にはあると噂のチェス台が真ん中に)、32度の浅めの3種類で、日本なら自治体温泉の中小くらいの規模か。お湯はかすかに緑色でさらっとしている。泉質は悪くなさそうだったけど、けっこう塩素臭がして、まあ温水プールみたいな気分だった。温度は日本人としては物足りない。もっと温まりたい人はサウナへ、ということのようだけど、下に敷くバスタオルを持参するものらしくて、持ってなかったので断念。
浴槽間やロッカーとの移動の時は、濡れた石張りの廊下 (土足可) という感じで、足が気持ち悪いのでビーチサンダルがあると良さそうだった。お風呂を2巡くらい行ったり来たりしたが、いちゃついてるカップルもいたりしたので、あまり長居はせずにさくっと上がった。


それにしても暑い。もっと暑い列車で、蒸し焼き気分で着いたセゲド駅は、アールヌーヴォー様式?のきれいな建物。駅前の路面電車を確認しようとしていたら、乗客の女の子とか何人か私に、「シャ*ー」 「シャ*ー」 と叫ぶ。???と思ったら、頭を指差してくれて。帽子が風に飛ばされていた。シャポー? ”シャッポ”の親戚かも? と面白かった。キオスクで切符を買い4停留所ほど乗って、何とかかんとか5時までだという宿を手配してくれた旅行代理店の営業時間に間に合う。ここの係の方がドイツ語ペラペラ。久々に (と感じた) 言いたいことが十分伝えられてほっ。すすめてくれた冷たい水も美味しかった~ 温泉とか街の情報もいくつか教えてもらった。




8時すぎに宿を出て、大聖堂前の野外劇場へ。すごい人ごみ。ネットで予約したチケット、「このメールと決済に使ったクレジットカードが揃っていないと渡しません」 なんて確認メールにあって緊張していたら、名前を言うだけであっさり渡してくれた。日本人は見たところ私だけだったし(^_^;?
屋台でおっきな渦巻きパンとコーヒーを指差して買って夕食代わりに。人がいっせいに群がっているので、注文するのも一苦労。決まったところに行列を作ったりはしないのか。これはドイツの劇場でも大体そうだった。
薄闇が広がる大聖堂前の野外劇場は、前にも書いたけどとってもとっても趣があった! 新しい作品を見るのも興味深い。けどやっぱり、言葉が全然分からないってツライな… 知ってたのはイゲン(yes)、ネム(no)、チョック (allだっけ?) の2、3語くらい。そうそう、前後を考えると 「ヘルシー」 と聞こえたのが 「陛下」 かな。健康そうでいいかも(笑)
旅行中に書いた感想 観劇感想①作品紹介・物語 観劇感想②キャスト
何せ終演が12時すぎなので、最後はちょっとコクリコクリ。次の朝も早いので、主催者挨拶はパスさせてもらって宿に帰り、近くのオープンカフェの音楽がうるさいなあ、さすが花金?と思いながらも就寝。翌朝は5時すぎに起き、6時ごろの路面電車に乗って少し歩いて街外れのバスターミナルに行き、かわいらしい空港シャトルバスでブダペストへ向かった。
しまった、あんなに川の近くにいたのに結局ティサ川を見に行かなかったな~と、乗ってから気付く。きれいな街だったし、いつかゆっくり (また野外劇場と絡めてかも^^;?) 再訪してもいいな、と思った。
試してもいいけど、無賃乗車扱いの罰金を覚悟のこと)
ハンガリーでも鉄道ですったもんだ。飛行機と列車の乗り換え、十分余裕を見たつもりだったのに、
1) フランクフルトからの飛行機が40分遅れた。
2) 空港内で手荷物預かりを見つけるのとかいろいろ手間取ってしまった。
3) 連絡バスに乗ったら鉄道駅まで思ったより時間がかかり、これがまた地下鉄と紛らわしい駅で迷いそうになり、窓口も行列で、乗るつもりのICの切符を買う時間がなさそうだった。
4) で、日本のように車掌から買おうと思ったのに、ホームの駅員 (珍しく英語がうまい) に 「無賃乗車になって罰金が高い。次のにしろ」 といって止められる。一応、車掌に交渉してくれたけど、「ダメだ」 といってるらしかった車掌はすごく冷たそうだった。そりゃあシステムは全然違うだろうけど車内清算ができる日本が天国に思えた。
5) 次の急行は1時間20分後、しかも冷房どころか扇風機さえなしのボロ車両(涙) 体感34度くらいの酷暑なのに…
6) 乗ってから車掌に聞いてみたら (英語の出来る人が通訳してくれた) その 「高すぎる罰金」 とは2000フォリント (約1200円) だと判明。駅員は言ってくれなかったし、私も聞くのを思いつけば良かったのに! 確かに2等切符と同じくらいの額 (鉄道安いなぁ) だが、ブダペスト空港の手荷物預けが2500フォリントもしたのを考えれば、別に払っても惜しくなかった。1時間40分早い到着と、2時間の乗車中の冷房の快適さを考えれば…
6) ドイツ語と英語はイマイチ、ニ通じない(涙) 合計で7~8人に一人くらいか。駅では1人だけだったし、車掌は全滅だし…
「歩き方」 によるとブダペストの治安も相当悪いようだし、しばらくは、ハンガリーを再訪するには勇気をかき集めないといけないかも…
もちろん、セゲドの野外劇場はすごく良かったけど!

今度は完全陸路でドイツへ。幸いそれほど遅延もせず、2回乗り換え6時間半でオーバーハウゼンに到着。観光案内所にまずい忘れ物をして青ざめたが、幸い取っておいてくれて事なきを得た。その後、どこかを出るときは 「♪忘れ物はないですか~ 見つけにくいものですか~」 と歌って確かめる癖が付いた。アホやー(^_^;
オーバーハウゼンのメトロノーム劇場は、シュトゥットガルトのアポロ劇場と同じく 「新開発の複合商業地区の一部として、劇場も作りました」 という趣。東京で言えば、お台場に四季劇場があるようなものか。

ドイツのホテルサイトでこの地区内の徒歩10分の Tryp Centro に宿を予約していたが、またしても冷房なし(付きは街に1軒だけとか)。小じゃれた寮のような内装。何せ暑いし劇場に行く途中また夕立になったが今日は屋内だから問題なし。
劇場は意外と小ぢんまりしていて、2階といってもちょっとだけ高くなっただけという感じ。劇場にはエッセンの 「オペラ座の怪人」 のデモ映像とかがずっと流れていた。東京~横浜くらいの時間距離だし、普通はこっちと続けて行くよねぇ(^_^; 首尾よく割引で観劇を済ませ 感想、疲れていたのできちんとした夕食は省略、ビスケットを食べてすぐ寝た。

さて、「スターアライアンス・ヨーロピアン・エアパス」 という ANAの加盟するグループの格安周遊券を使う都合で、28日はブダペストへの朝早くの飛行機に乗らないといけない。それで、フランクフルトから比較的近いシュトゥットガルトで、もう一度 「エリザベート」 を見ることにした。Pia さんが多分出ると聞いていたし、彼女のなら何度でも♡


地下鉄というか路面電車というかに乗り、乗り換えの後、向かいのおばあちゃんに、「SI ツェントルム (劇場のある複合施設)へはこれでいいですか?」 と聞くが通じない。近くにいた若い女性が分かってくれ、「エス・イーだよね」。しまった、"I" だけドイツ語になってなかった(^_^; 日本語だと、アルファベットは英語読みだもんね。
2階席からの眺望を楽しんだ観劇を終えて帰ってくると 感想、駅の窓口が閉まっている。まずい、明日の分はユーレイルパスじゃなくてフランクフルト空港までを別途買う予定なのに、どうしよう!? と思ったら、超高機能のチケット自動販売機があってほっ。チケットを買うだけじゃなくて、時刻検索ができたり、クレジットカードで払えたり。これはJRも見習ってほしいなぁ。

(追記。えーん、もう見られなくなっちゃいました…9/4)


よく見ると、プロローグで ”怪人蝶人間”、フィナーレで ”プレッツェル髷のせ女官”も確認できました(笑)
"Nichts ist schwer" のところ、背景にアルプスの山々が見えて美しい! 晴れてたらこんな感じだったんだ~ 私の時は残念ながら雲越しにうっすら影程度でしたから。


"Nichts, nichts, gar nichts" のところは 「ほんとに断崖みたい、効果的だな」 と感じたとか、懐かしく思い出しました。
"Am Fuß der Alpen... ja, genau! "
(アルプスのふもと… ホントだね!)
バート・イシュルより、もっと当たってるし(^_^;
7/25(火) 19:45~, Thuner Seebühne, 3列目下手サブセンター
Elisabeth: Roberta Valentini (2)
Der Tod: Christoph Goetten (1)
Lucheni: Sergio-Maurice Vaglio (1)
Franz Joseph: Jan-Martin Mächler (1)
Rudolf: Nico Gaik (1)
さて、スイス・トゥーンのエリザベート。これまでに拝見した2人の方の感想が、どちらも 「演出が気に入った」 というものだったので、自分の好み/審美眼 (そもそもないか) にかなーり自信がなくなりつつも… 個人的には 「おっもしろい演出だなあ」 と思ったのが正直なところ。


怪人蝶人間、もとい死の天使。頭から全身、ぴたっとした?赤い衣装に、腕から脇に広がる赤い薄布。思わず上に触覚が見えてしまった(^_^;

ルドルフはショッキングブルー? の軍服で、トートと並ぶとすごい対比。 Nico Gaik さん、唯一シュトゥットガルトで前に見ているからか、主要キャストの中で一番かわいく感じ、歌も去年秋よりややうまいと思った。
フランツ・ヨーゼフが地味~下手じゃないんだけど。翌朝散歩で会った地元の人が farblos (無色) と言っていた。なるほどそんな印象だ。
風が強くて飛ばされたからか、全体的に声がそれほど出ていないと思ってしまった。ゴーゴーいう風の音をスピーカーが拾って怖かった。遠雷も。風で寒く、肩に付くか付かないかの自分の髪でもあおられてうっとおしかったのに、エリザベートやトート役の人は大変だっただろう。
例外: 頭にプレッツェルを乗っけたみたいな女官さんは多分大丈夫(笑)
休憩なしで演じるので、いくつかのシーンはカット(や短縮版?)になっていたが、オランダ・ドイツ版にない 「エーヤン」 はあった。所要2時間くらいかな。晴れていたら、最初は青空、途中で黄昏が進む時間で効果大だろう。ユングフラウ3山が湖越しにくっきり見えるともっときれいだろうな~!
今のところ、① 海外・日本上演歴、② 主要登場人?物、③あらすじ1幕、④あらすじ2幕、⑤海外CD/DVD です。
基礎データ
"Elisabeth, das Musical" ミュージカル 「エリザベート」
詩: Michael Kunze (ミヒャエル・クンツェ)
曲: Silvester Levay (シルヴェスター・リーヴァイ)
上演データ(海外)
ウィーン 92~98、03~05 (ロングラン) CD4・DVD1
中断中の02に 「10周年記念ガラコンサート」 CD1
ハンガリー 96~ (時々上演、今はなし) CD1
スウェーデン 99~ (終了時期分からず) CDなし
オランダ 99~ ( 〃 ロングラン) CD1
エッセン(独) 2001~03 (ロングラン) CD1
シュトゥットガルト(独) 05春~06秋 (ロングラン) CD1
イタリア 04夏 (トリエステ、コンサート?) CD不明
フィンランド 05秋~ (時々上演) CD不明
スイス 06夏 (湖上劇場1ヶ月半) CDなし?
上演データ(日本)
宝塚版 96年 (ご当地の1つハンガリーよりも半年早い!) から、
雪・星・宙・花・月の各組で順番に上演 (~05)。
「ベルサイユのばら」 などと並ぶ代表・人気作に。
07年、雪組で再演予定。 CD・DVD完備
東宝版 2000年から数回。やはり大人気に。 CDのみ
エリザベート (愛称シシィ): バイエルン王一族の公女。従兄のフランツ・ヨーゼフに見染められ、オーストリア皇后となる。しきたりに縛られた宮廷になじめず、拒食症ともいうべき美容術に走り、後年は旅から旅の放浪生活に。帝国の一部だったハンガリーを愛し、夫を説得して、ほぼ対等の地位を持つオーストリア・ハンガリー二重帝国とすることに尽力。結果的に他民族の独立機運も高めてしまう。スイス・レマン湖畔でイタリア人アナーキスト、ルケーニ (ドイツ語ではどちらかというとこう聞こえる) に暗殺される。
トート (「死」): 死の化身。エリザベートを愛し、追い詰める。死に憧れるエリザベートの空想/分身かもしれない。ドイツ語 der Tod (デァ・トート) を始め、ハンガリーのハラール、フィンランドのクオレマなど、各言語で 「死」 を意味する言葉で呼ばれる。日本だけ 「黄泉の帝王・トート閣下」 なのは、”シ”だと短かすぎてごろが悪く、かといって 「死神」 にはしたくなかったためか。
フランツ・ヨーゼフ: オーストリア皇帝。真面目で勤勉な統治者だが、「政治的センスはいまいち」 (「ウィーンのカフェ」の客)か。母ゾフィーの影響を強く受けている。エリザベートを愛し抜くが、自由を求める彼女は離れて行く。妻の死後も長生きし、晩年には民族自決運動にあおられてセルビアに宣戦布告し、第1次世界大戦を引き起こしてしまう。
ルドルフ: 皇太子/大公。皇帝夫妻の第3子で、4人中唯一の男子。母の影響で自由主義的に育ち、保守的な父皇帝と対立。高い知性を持ち、その 「ドナウ連邦」 構想は、EUの先駆けとの評価もある。ベルギー王女と結婚するが不仲となり、ウィーン郊外、マイヤーリンクの狩猟館で16歳の男爵令嬢、マリー・ヴェッツェラと心中。暗殺説もある。
ゾフィー: バイエルン王家出身で、先代皇帝の弟の妻。正式な称号は 「大公妃」 だが、息子が皇帝になったので日本語では 「皇太后」 でOK。「宮殿でただ一人の男」と呼ばれる女傑。伝統主義者で、姪でもあるエリザベートと激しい嫁姑戦争を繰り広げる。
ルイジ・ルケーニ: イタリア人のアナーキスト (無政府主義者)。王族なら誰でもいいとばかりに、たまたま近くにいると知ったエリザベートを暗殺し、刑務所で自殺。この作品は死後の世界での裁判における ”再現ドラマ” という大枠で話が進み、ルケーニは狂言回しを務める。
マックス: エリザベートの父、公爵。気ままな生活を送る変わり者。
ルドヴィカ: エリザベートの母、ゾフィーの妹。
ヘレネ: エリザベートの姉で、皇帝の本来の見合い相手。
ウィーン宮廷の重臣、ゾフィーの取り巻き= グリュンネ伯爵、シュヴァルツェンベルク公爵、ラウシャー大司教/枢機卿
ちなみに、エルマー、シュテファン、ジュラのハンガリー貴族3人衆とツェップスは宝塚版で若手・中堅男役スターに役を与えるために出したもので、海外では(ほぼ)不在。名前があっても役割が違うし、少なくともツェップスはいなかったような…
死者の世界でエリザベートを暗殺したルイジ・ルケーニの裁判が開かれている。彼は 「彼女が望むから殺した。黒幕は”死”」 と話す。「死」 も現れ 「彼女を愛した」 と認める。証人としてエリザベートの同時代人たちがよみがえり、物語が始まる (Prolog)
バイエルンの公女エリザベートは天真爛漫。気ままな父マックスのように自由に生きたいと願っている (Wie Du)。その日は親戚の集まりがあり、母ルドヴィカが、「(エリザベートの姉)ヘレネがフランツ・ヨーゼフ皇帝と見合いをする」 と発表する (Schön, euch alle zu sehen)。エリザベートはサーカスごっこ中に高いところから落ち、仮死状態になって死と出会う。死は彼女を愛するようになり、彼女も彼に憧れる (Schwarzer Prinz)。
ウィーンの宮廷では若き皇帝フランツ・ヨーゼフが、母ゾフィーの強い影響の下で統治に励んでいる。ゾフィーは 「戦争より(政略)結婚がオーストリアのやり方」 と言う (Jedem gibt er das Seine)。温泉保養地バート・イシュルでの見合いでフランツ・ヨーゼフは意外にもヘレネではなくエリザベートを選ぶ (Wie man plant und denkt, so kommt es nie)。彼はエリザベートに皇后の立場の厳しさを警告するが、彼女は気にせず 「2人でなら何も難しいことなんてない」 と答える (Nichts ist schwer)。
結婚式。貴族たちが不気味に歌い、エリザベートが宣誓すると、高笑いをする死が婚礼の鐘を鳴らす (Alle Fragen sind gestellt)。披露宴。マックスとゾフィーは、自分の子には相手がふさわしくないと言い合いをし、貴族たちはエリザベートの田舎育ちや子供っぽさから 「宮廷に合うだろうか」 と噂する (Sie passt nicht)。死が現れ 「お前は最後のダンスを俺と踊る=俺のものになる」 と告げる (Der letzte Tanz)。
翌朝5時、ぐっすり眠るエリザベートのところに女官たちを連れたゾフィーが乗り込み、「皇后らしく」 と伝統としきたりを押し付け、早くも諍いに。フランツ・ヨーゼフも味方してくれない (Eine Kaiserin muss glänzen)。エリザベートは反発し 「私は私だけのもの」 と歌う (Ich gehöre nur mir)。その後も宮廷での彼女の孤立は続き、生まれた娘2人の養育もゾフィーに握られてしまう。怒った彼女はハンガリー訪問への同行を求める夫に 「まず子供たちを返して」 と迫る (Stationen einer Ehe)。だが、そうして連れて行った幼い長女はハンガリーで病死し、死が 「お前には俺が必要」 とささやく (Die Schatten werden länger)。
ウィーンのカフェでは客たちが芳しくない帝国の前途や、ようやく息子が生まれた皇帝夫妻の噂をしている (Die frohliche Apokalypse)。数年後、宮廷では小さなルドルフがスパルタ教育を受け、エリザベートが会いたくてもゾフィーに阻まれる。政治情勢は厳しく、疲れたフランツ・ヨーゼフはエリザベートに慰めを求めるが、かえって 「私かあなたの母親か選んで!」 と最後通牒を突きつけられる (Elisabeth, mach auf mein Engel)。死が現れて沈み込む彼女を誘惑するが、彼女は 「まだ生きたい。美貌で勝ってみせる!」 と拒む。経済も疲弊し、牛乳が買えない貧しい市民たちが怒り、ルケーニは 「皇后のせいさ!」 とアジる (Milch)。
エリザベートの美容の間。女中たちが牛乳風呂や美顔術の準備をしている (Schönheitspflege)。そこへフランツ・ヨーゼフが訪れ、全面的に彼女の希望をかなえると言う (Ich will dir nur sagen)。それを聞き、世界一美しい姿で現れたエリザベートは、「あなたと共に行くわ。でも私のことも理解して、閉じ込めないで」 と求める。死も現れ、生のむなしさ?を歌いかける中、エリザベートは高らかに 「私は私だけのもの!」 と宣言し、幕。